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経済

原油・ガス市場にも トランプ・ショック

「資源孤立主義」が招く乱高下

2016年12月号

 トランプ次期大統領決定に、慌てふためくワシントンでシンクタンクや大学、官僚などの専門家に内外から政策分析リポートの発注が殺到している分野が二つある。エネルギーとアジアだ。エネルギーが注目されるのは、シェール革命を経た米国がエネルギー自給自足に向かう流れとトランプ氏の掲げる米国優先、不干渉孤立主義が連動する可能性が高いからだ。米国がエネルギー孤立主義に陥れば、中東産油国の国家体制やアジアの石油調達は揺さぶられ、ロシア、イランが石油を武器に暗躍するエネルギー戦国時代に突入する恐れがある。
 八年前のオバマ政権誕生では、就任直後に打ち出した「グリーン・ニューディール」政策が世界のエネルギー業界、産油国を揺さぶった。米国内の送電網や原子力発電所などのインフラを再強化するとともに再生可能エネルギーを推進し、新規需要を生み出して成長を加速する政策だった。その後に米国で巻き起こったシェールブームでこの政策は政権内でも忘れ去られたが、トランプ政権が真っ先に世界に発信するのもやはりエネルギー政策といわれる。

中東からの原油に〝壁〟{br・・・