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経済

グーグルが狙う医療産業の「覇権」

最先端技術と人材を独占する「巨人」

2016年12月号

 グーグル(持株会社名「アルファベット」)が医療産業でも、先端企業を目指し、創薬や遺伝子組み換え技術に挑戦している。現代の医療では、人工知能(AI)やビッグデータを駆使した治療や、個人の遺伝子情報を基礎にした精密医療(プレシジョン・メディシン)、複雑な人体や神経の役割を持つ「バイオ電子薬」といった分野に地平が広がるが、グーグルはそのすべての研究開発に関係する。
 グーグルのようなIT企業が加わる医療分野には目下、「バイオエレクトロニクス」「創薬アルゴリズム」などの呼称がある。ビッグデータや遺伝子情報を駆使することによって、従来は治療不可能だった病気の克服が期待されている。

グーグルが狙う医療産業の「覇権」

 一般には何より「検索大手」として馴染みのグーグルは、実はかなり前から、医療にかかわってきた。
 グーグルの共同創業者であるセルゲイ・ブリンの妻、アン・ウォジスキー(後に離婚)らが、遺伝子情報解析会社「23andMe」を創設したのは、二〇〇六年のこと。後述するように、遺伝子解析は、特定個・・・