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政治

君側の奸「今井尚哉」の狼藉

国民欺いた対露外交の「主犯格」

2017年1月号


 あれだけ北方領土問題の解決を目指すと豪語しておきながら、領土交渉そっちのけでロシアへの経済協力に邁進する安倍政権。結局、期待値を上げた日露首脳会談は、突き詰めれば北方四島での「共同経済活動」だけで、元島民の自由往来をことさら強調するなど成果を装う弥縫策が際立った。国民を欺くこの対露外交を仕切ったのは、外交実務を司る外務省ではなく、お門違いの経済産業省系人脈だ。その頂点に君臨する人物こそ、安倍晋三首相の「側用人」として官邸で権勢を振るう同省出身の今井尚哉・首席秘書官にほかならない。 今井氏は対露外交の統括責任者と位置づけられ、その考えは「経済利益」をエサにぶら下げれば、ロシアも重い腰を上げるだろうという能天気の極み。この楽観主義が日本固有の領土である北方領土をオホーツク海の霧のかなたへ追いやったのだ。「領土、領空、領海を断固守る」という首相の勇ましい掛け声と現実との落差は隠しようもなく、欺瞞の対露外交を主導した今井氏の行状は、どこまでも罪深い。

外相も止められぬ人事介入

「『北方四島返還は譲れない・・・