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経済

中国不動産バブル「最大の破裂」間近

いつか日本がたどった道へ

2017年1月号

 二〇一五年秋に低迷から上昇に転じ、一六年半ばには史上最高値水準まで暴騰した中国の不動産市場に終わりの時が近づいている。不動産バブルの主因である信用膨張に歯止めがかかり、大手不動産デベロッパーの破綻懸念が広がっているからだ。大手が今後三年間に迎える社債償還の総額は十兆円を超える。今世紀に入って少なくとも三回は弾けた中国の不動産バブルはいよいよ、日本のバブルと同じく最後の破裂を迎えようとしている。
 上海市郊外で中国の大手不動産業者、碧桂園が開発した二千戸を超える集合住宅。上海としては緑豊かな敷地に中層マンションが立ち並ぶ。一戸あたり四百万元(約六千八百万円)を超える物件だが、昨年十一月以降、客足はガタ落ちした。高騰しすぎた価格が敬遠された面もあるが、上海の不動産業者は「偽装離婚の減少が原因」と語る。
 上海市はじめ中国の主要都市では、夫婦が離婚し、元妻または元夫にもう一軒の家が必要となった場合に住宅購入の優遇策を設けていた。住宅ローンを借りる際の頭金を不動産価格の三五%でいいとするものだ。不動産投機を防ぐため、通常は自宅以外の二軒目を買うときは五〇〜七〇%必要な頭金・・・