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中国で始まる「外国人浄化政策」

日本企業駐在員が「最大の標的」に

2017年2月号

 中国政府が同国で働く外国人を身勝手な基準でランク付けする新制度が始まり、波紋を広げている。業務実績、学歴、収入、企業規模、年齢、中国語能力などの基準で外国人をA、B、Cに分類、最低のC級には就労を厳しく制限、という事実上の「外国人浄化政策」だからだ。厳しく運用されれば、中国在住日本人の三分の一が中国で働けなくなるといわれる。中国人と中国企業を優遇し、経済悪化を乗り切ろうという習近平政権の切迫した事情があるが、技術、ノウハウ、ブランドなどを同国にもたらした外資との関係悪化はいずれ中国経済から成長力を奪うことになるのは必至だ。
 問題の新制度は「外国人来華就業許可制度試行実施案」で、昨年十月から北京、上海、河北省など地域限定で試験的に実施され、今年四月から全国に適用される。
「ノーベル賞受賞者など顕著な実績のある人物」「フォーチュン・グローバル五百社に入っている企業の中国総代表」などがA類、「世界ランキング百位以内の大学で修士号以上の取得者」「グローバル企業の管理職以上」「科学研究、新聞、体育など専門技術人材」がB類、「臨時雇用、特段の技術のない人材、サービス業従事者・・・