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連載

西風429

「地方創生列車」に集まる期待

2017年2月号

 ヨーロッパの豪華列車「オリエント急行」をモデルとした西日本旅客鉄道(JR西日本)の寝台列車「トワイライトエクスプレス」は関西の鉄道ファンを中心に長らく愛された。本家に倣い深緑色の車体に金色の帯を巻く印象的な塗装を施したこの列車は一九八九年から大阪〜札幌間で運行されたが、JR西は車体老朽化を理由に二〇一五年三月で同列車の通常運行を取りやめ、一六年三月にはツアー専用車としての運用も終わった。
 これに代わりJR西が六月十七日から運行を始めるのが、豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス瑞風」だ。この列車には、ファンだけでなく、沿線自治体も熱い視線を注いでいる。
 旧トワイライトの後継列車に位置づけられる「瑞風」の先頭車は風をイメージした五本のラインがフロントをマスクのように覆うレトロモダンなデザインになっている。車両は十両で編成され、うち六両にロイヤルシングル、ロイヤルツイン、ザ・スイートの三タイプの客室が十六室設けられている。ラウンジ、レストラン、展望車(二両)を連結し、乗客は最大でも三十四人という贅沢な仕様だ。
 大阪〜札幌間に限定されていた「先代」とは異・・・