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政治

麻生太郎が米新政権に招かれた理由

《政界スキャン》

2017年2月号

 成人の日、麻生太郎副総理・財務相が地元・福岡県飯塚市の式典で訓示した。
「酒もタバコも高校生から隠れて吸ったり飲んだりできる。これまではパクられ(逮捕され)ても少年Aで済んだが、二十歳になって一番違うのは、必ず名前が出る。それが未成年との一番の違い。ぜひその自覚を持って」
 くだけた話しぶりがこの人らしいと一部で評判にもなったが、内容の当否はともかく、関心を呼んだのは、主催者である市長が欠席し、麻生氏が代役を務める格好になったからだ。市長は副市長と一緒に日中、賭け麻雀へ赴く姿を隠し撮りされ、マスコミの追及に
「いけないのか」
 と口走って騒ぎになり、謹慎していて、顔を見せなかった(辞職は一月末付)。麻生氏の話は市長への皮肉とも聞こえて際どいが、気になることは別にある。
 旧筑豊炭田の中心地。昭和の時代は、炭鉱労働者や石炭の運搬船労働者(川筋モン)ら荒くれ者が多い気風で知られた。
 市長は老舗食品会社の二代目。十年前、市が周辺四町と合併して調整がこじれた最初の市長選に、麻生氏が担ぎ出した。
「土建屋の利権とは無縁の資・・・