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政治

《罪深きはこの官僚》吉田和郎(厚生労働省社会援護局事業課長)

デタラメ 「戦没者遺骨収集」を放置

2017年2月号

 厚生労働省の「社会・援護局」はその名称から、あたかも弱者に寄り添う正義感に満ちた部局のような印象を与えるが、それは大きな誤解である。とりわけ、日本人戦没者の遺骨収集を担う事業課と付随する事業推進室は害悪の温床だ。この事業課長として、海外に散る遺骨収集を差配しているのが吉田和郎氏である。ここには、日本人戦没者の遺骨を装いNPO法人がフィリピンから送ってきた疑惑の骨が今も、放置されているという衝撃の証言も飛び出した。
 安倍晋三首相は戦没者遺骨収集の予算を増大させるなど強い関心を示すが、その熱意とは裏腹に事業課と事業推進室は「遺骨収集など過去の話として、使い物にならない『お払い箱人材』の巣窟と化している」(厚労省OB)。ならば、なおのこと課長として立て直しに指導力を発揮すべきだが、吉田氏は野放図な体質をそのまま放置するだけの「極楽トンボ」と自民党厚労族議員は指弾する。
 最近も、この事業課の杜撰な仕事ぶりが続発した。昨年十月には、戦後の旧ソ連・シベリアで抑留中に死亡した日本人の遺骨収集で、DNA鑑定前の遺骨の歯六十一柱分を現地で誤って焼失した問題が発覚。作業に派遣され・・・