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政治

哀れ公明党も極度の「人材難」

勢いづく池田亡き後の「縮小論」

2017年3月号

「集団的自衛権の行使には断固反対」と選挙で訴えながら、その一年後には行使容認の閣議決定に賛成。「ギャンブルで景気浮揚など本末転倒」とカジノを合法化するIR法案に強硬に反対しながら、自民党に強く出られるとあっさりと法案採決に同意—公明党の自主性の喪失と無節操ぶりが以前にも増して際立ってきているが、その原因の一つとして指摘されるのが、人材不足だ。連立政権下で自民党と丁々発止の議論を戦わせ、時には謀を用いても自らの主張を認めさせることができるような骨太な政治家が見当たらないのだ。

井上義久と漆原良夫の引退内定

 公明党草創期に二十年間近く委員長を務めた竹入義勝は、かつて朝日新聞のインタビューで、公明党の委員長(代表)や書記長(幹事長)の人事は、創価学会名誉会長・池田大作の胸三寸で決まっていたと明かしている。池田が衰弱して指揮を執れなくなった今でも、党の幹部人事が学会側の意向で決まる構図は変わっていない。昨年九月の公明党大会で山口那津男が無投票で代表に五選されたが、一九六四年の結党以来、公明党の党首選に複・・・