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政治

安倍昭恵はいかに「右翼」となりしか

付け焼刃「保守」が招いた災い

2017年4月号

 二月九日、朝日新聞朝刊が森友学園に国有地が格安で払い下げられた問題をスクープした時、安倍晋三首相夫妻は、トランプ大統領との会談のためアメリカに赴くところだった。当初は官邸も「こんな問題は政権に何の影響もない」と楽観視する向きが強く、新大統領と親密な関係を築いたという訪米の成果に、むしろ深く酔っていた。思えば、この時からすでに世論と官邸との間には大きなずれが生じていたのだろう。
 首相夫妻は世間ではなく、取り巻きの声を重視する。だからこそ、その後もどこ吹く風で、昭恵夫人はそれまでどおり様々なシンポジウムやイベントに顔を出し、友人知人と会食しては、相変わらず無防備に泥酔していた。

皇后の「お言葉」にも勘違い

 森友問題が過熱化してきた頃の二月二十八日、天皇・皇后がベトナムへ旅立たれる際には、「さすがに夫人は人前に出ることを憚り、欠席するのではないか」と臆測されていた。ところが、そんな大方の予想を裏切り、彼女は羽田空港で両陛下を乗せた飛行機が出立するのを夫とともに満面の笑みで見送った。森友問題の渦中であ・・・