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社会・文化

日本ワイン業界に変革の胎動

田崎ソムリエ「一強時代」の終焉

2017年5月号

 日本のワイン業界が、転換点を迎えている。日本ソムリエ協会の田崎真也会長を頂点とするソムリエの一極偏重が長らく続いてきたが、ワイン界の最高資格マスター・オブ・ワイン(MW)を有する大橋健一氏の出現によって、構図が一変した。グローバルな情報やマーケティングが広がり、フランス一辺倒だった市場に変革の波が押し寄せている。
「日本ではイベントやメディアでワインを語るのは、ソムリエしか許されない雰囲気があった。MWの話にはデータの裏付けがあり、ワインの見方が変わった。ソムリエの情報より役に立つ」と、あるワイン業界関係者は語る。
 マスター・オブ・ワインは英国のマスター・オブ・ワイン協会が認定する資格。ワイン業界の最高峰で、最難関の資格と認められている。ワイン理論を問う筆記、目隠し試飲、研究論文の審査をパスしなければならない。試験の対象は世界中のあらゆるワインであり、傑出した試飲能力が必要となり、法律、マーケティング、ワインに関する時事問題など広範な知識が求められる。最低でも三年はかかり、一発合格する人間はごくわずか。オックスフォードやハーバード大学出身者でさえ落ちるケースも多・・・