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インドでも「極右勢力」が大躍進

宗教弾圧で分断される「十三億人」

2017年5月号

「ヒンドゥー・ラシュトラ(ヒンドゥー教国家)建設を!」
 モディ政権誕生から三年、こうした言葉を繰り返し耳にするようになった。「原油価格下落による安定した経済成長」という運がいいだけのモディ政権に対して、過大評価をそろそろ改める頃かもしれない。ヒンドゥー至上主義による「偏狭で頑迷な政策」は拡大し、党内の極右勢力が力を強め、今やインドの人口比九九・三八%の地域で牛の屠殺が禁止となり、厳罰化が進んでいる。政官民を問わず極右勢力が暴走し、他宗教への弾圧の標的はイスラム教徒だけではなく、キリスト教徒への迫害も増加して今や欧米も懸念している。

最大州の首相に「極右の扇動者」

「ヒンドゥー至上主義者強硬派が州首相に」
 三月下旬、現地各紙でこんな見出しが躍った。世界最大の自治体であり、人口二億人を抱える大票田ウッタル・プラデシュ(UP)州議会選挙で、世論調査を覆して中央政府与党インド人民党(BJP)が四分の三以上の議席を獲得して圧勝。左派政党が強かった同州での右派圧勝は確かに驚きだが、驚愕すべきは選挙・・・