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政治

皇室を「やせ細らせる」安倍政権

皇統安定継承を阻む「政治の不作為」

2017年6月号

 秋篠宮家の長女、眞子さま(二十五歳)の婚約内定報道(五月十六日夜)は、天皇退位にめどがつき、皇室論議がまさに女性宮家創設へ移る時だった。タイミングの絶妙さが気になる。昨年七月、参院選投開票の三日後に報じられた「天皇退位のご意向」に続き、スクープしたのはまたもNHK。今回は、退位特例法案が閣議決定される三日前である。
 進退・慶弔の真偽は、側近でも機微は分からない。当人か家族に確認しなければ公にはできない。まして皇室は、天皇・皇后の了解が絶対要件である。今回のタイミングには、何らかの「意向」が投影されていたのだろうか。
 早速、慶事の意味を巡ってさや当てが始まった。女性宮家創設を主張する民進党は「皇室からの『急いで下さい』という暗黙のサインと受けとめるべきだ。眞子さまが宮家を持てるように秋の臨時国会で議論し、結論を急がなくてはいけない」と勢いづく。
 野田佳彦幹事長は「退位法案の付帯決議に女性宮家創設検討を明記すべきだ。その見通しを立てた上で審議入りを」と迫る。
 これに対し、自民党は「皇室の慶事の政治利用だ。これとそれとは別問題だ。いずれにせよ・・・