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経済

三菱UFJ「平野独裁」が鮮明に

頭取「突如辞任」の深刻な行内事情

2017年6月号

 これまで社内政治に関する情報があまり出回らなかった三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)に異変が起きている。中核銀行である三菱東京UFJ銀行(BTMU、商銀)の小山田隆頭取が健康問題を理由に突如辞任することを決めたことで、グループ内で平野信行社長の影響力がいよいよ強まり、異例の長期政権になるとの見方が浮上しているのだ。
「相当疲れた様子だった」。辞任のニュースが駆け巡った五月二十三日夜。わずか一年という異例の短期間で経営の第一線から退く小山田氏の最近の様子について、多くの行員が口を揃えた。二月頃から体調不良を訴えるようになったというが、五月十八日の全国銀行協会(全銀協)会長記者会見を最後に表舞台から去ることになった。
 生真面目な小山田氏が神経をすり減らした一因と指摘されているのは、相談役の肩書で残り、「長老」と呼ばれるMUFG元幹部の存在だ。行名から「東京」を外すことについて相談役会で反対意見が出たとされ、中でも畔柳信雄元社長が強硬だったため、小山田氏は最後まで調整に追われた。
 金融庁は最近、MUFGの相談役会のあり方を問題視しているとされる・・・