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連載

《世界のキーパーソン》アレクシス・コレル(フランス大統領府事務総長)

マクロン新政権を束ねる「陰の男」

2017年7月号

 フランスのエマニュエル・マクロン新大統領は自身も史上最年少大統領なのに、新政権スタッフに「マクロン・ボーイ」と呼ばれる、自分と同年輩かさらに年下の若手を多数、起用した。
 その代表格が、コレル氏である。ストラスブール生まれ。すでに胡麻塩頭ながら、まだ四十四歳のアルザス人だ。
 大統領やエドゥアール・フィリップ首相と同じく、トップ・エリート校「国立行政学院」(ENA)を卒業した。大統領の首席補佐官に起用されたパトリス・ストローダ氏とあわせ、新政府の中枢に「エナルク(ENA卒業生)」がそろったことで、良かれ悪しかれ「エナルク政権」と呼ばれるのは避けがたくなった。
 父親が公務員、母親が弁護士という家庭で、早くから高級官僚への道を歩んだ。ENA入学前には、パリ政治学院(シアンスポ)、エセック経済商科大学院大学(ESSEC)とグランゼコールを重ねて卒業している。
 ENAは二〇〇〇年の卒業。同級生からはフルール・ペルラン前文化通信相らすでに二人のフランス閣僚と、ジョージアの司法大臣が生まれている。
 オランド政権が誕生した一二年のことだ。エリ・・・