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政治

「年内解散」が濃厚に

極秘「工程表」が示す安倍の窮状

2017年7月号

「来るべき臨時国会が終わる前に衆参の憲法審査会に自民党の改憲案を提出したい」
 首相安倍晋三が突如として憲法改正に向けてアクセルを大きく踏み込んだ。
 六月二十四日午後、神戸市の神戸ポートピアホテルで開かれた講演会で、前のめりとも言える憲法改正論を展開した。内容もさることながら講演中の安倍の背後のボードに目を奪われた。「産経新聞社」「正論」―の活字が躍っていたからだ。思い起こせば、安倍が戦争放棄を規定した憲法第九条などの改憲について、初めて見解を示したのは憲法記念日(五月三日)の日の読売新聞朝刊。その後、憲法改正問題をめぐって国会で真意を聞かれた安倍は、「読売新聞を熟読してください」とまで言い切った。
 もともとメディア界では「安倍政権にとって読売は機関紙、産経は同人誌」と揶揄されていたが、まさにそれを裏付けるような光景が繰り広げられた。安倍は憲法記念日には、自身の支持基盤でもある「日本会議」系の憲法改正を推進する集会に同内容のビデオメッセージを送っている。
 いずれも共通するのが「自民党総裁として」という前置きを付けていることだ。身内ともいえる・・・