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政治

官邸の「圧力男」萩生田官房副長官

《政界スキャン》

2017年7月号

 昨年三月、安倍政権に批判的なテレビキャスター・アンカーたちが一斉に降板した。
 NHK「クローズアップ現代」の国谷裕子氏。
 ANN系「報道ステーション」の古舘伊知郎氏。
 TBS系「NEWS23」の岸井成格氏。
 表向きは、任期が長くなったこと、自発的な辞任、編成や契約の都合など当たりさわりのない理由が並べられたが、それまで三人とも政権から露骨に不快感を示され、岸井氏は背後勢力の怪しい組織的嫌がらせも受けていた。辞めた時期がそろいすぎたことと併せ、政治的な臭いを嗅ぎつけない方が難しい。
 各局内で交代に向けた調整が始まった頃、各局幹部が個別に首相官邸に呼ばれた。呼びつけたのは、萩生田光一官房副長官。
「おたくの番組のあの人、発言が偏向してるよ」
 関係者たちの証言を総合すると、萩生田氏はくだけた話しぶりで、官邸が心証を害していることを述べ立てたが、具体的に何をどうしろと要求はせず、何度か遠回しに尋ねた。
「どうするつもりなの?」
 あくまで各局の「自発的対処」を促す話法である。各局幹部ともたま・・・