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連載

日本の科学アラカルト83

元から絶てるか
二酸化炭素排出量削減の研究

2017年7月号


 六月一日、米国のトランプ大統領は気候変動枠組み条約の「パリ協定」からの離脱を表明した。あらゆる政策が手詰まりになっているトランプ政権にとって、オバマ時代の二〇一五年十二月にまとめられた同協定からの離脱は政治的な思惑によって断行された。トランプ大統領は大統領選中に地球温暖化説について、「中国陰謀論」をぶち上げるなど科学的に怪しい言説を垂れ流した。さすがに当選後はそのような言動はないものの、最終的には「経済的利益」のために協定からの離脱を決めた。世界二位の二酸化炭素排出国である米国の離脱により協定は岐路を迎えた。
 トランプ政権は「二酸化炭素排出制限」が「経済活動制限」に繫がることを懸念している。乱暴な議論ではあるものの、化石燃料を燃やしてエネルギーを得ている限り、経済活動量と二酸化炭素排出量に相関関係はある。仮に、エネルギー消費を抑えることなく、二酸化炭素排出量を削減することができれば、少なくともトランプ政権の懸念は払拭することができるだろう。つまり、化石燃料を燃やしても二酸化炭素を大気中に排出せず、回収する技術だが、この分野でも日本の研究機関や企業などが研究を進・・・