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政治

《罪深きはこの官僚》中川 真(内閣官房内閣審議官)

カジノ利権を 肥大化させる「醜聞男」

2017年9月号

 九月に開かれる臨時国会で目玉となりそうなのが、カジノ開設を認めるIR(特定複合観光区域整備)法案だ。事務方でその中心人物とされるのは、事務局の長を務める国土交通省出身の森重俊也氏ではなく、その部下で財務省出身の中川真審議官だという。
 中川氏といえば、財務省内では「かつての女性スキャンダルで本省には戻れなくなった人物」(同省関係者)とされる。文部科学省担当の主計官として豪腕を振るったが、週刊誌女性記者の部屋から出てくるところを直撃され、卒倒。そこからは近畿財務局総務部長、米ワシントンのIMF、世界銀行と「財務省が前代未聞の疎開をさせた」(同前)逸話が残る。
 カジノ利権を巡っては「自民党内で数少ない金目の利権と票の生き残り策」(自民党職員)とされるが、昨秋の臨時国会で議員立法が通り、「一年以内に政府が実施法案を提出する」と定められている。内閣官房の事務局は夏休みもフル稼働で法案提出に備えるが、見逃せないのがこれに乗じて肥大化をたくらむ霞が関の思惑だ。
 カジノ開設が認められれば「事業計画の認定を受け付けるのは国交省、違法性を監視するのは新たに創設される三・・・