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早くも「失速」文在寅政権

「親北・反日」大統領の迷走始まる

2017年10月号

「北朝鮮への人道支援を検討されているそうだが」。九月十五日午後五時過ぎ、安倍晋三首相は電話会談の席で、韓国の文在寅大統領にこう問いただした。
 無理もない。この電話の約十時間前、北朝鮮の中距離弾道ミサイル「火星12」が、八月二十九日に続いて日本列島を飛び越えたばかり。韓国大統領府自身、記者団に対して「十四日の午前六時四十五分から発射の兆候をつかんでいた」(高官)と明らかにした。
 ところが、韓国統一部はよりによって十四日午前、「国連世界食糧計画(WFP)に四百五十万ドル、国連児童基金(UNICEF)に三百五十万ドル、それぞれ北朝鮮への人道支援金を提供することを検討している」と明らかにした。統一部の元高官は「センスがない。何で国際社会が反発するような時期を選んで発表するのか」と嘆いた。
 しかし、センスの問題だけではなさそうだ。安倍首相の質問を受けた文大統領は「乳幼児や妊婦に対する支援は、政治とは関係なく行われるべきだ」と真っ向から反論した。韓国の保守系政治家があきれる。「北が何回核実験をしようが、文在寅政権が南北対話を諦めることはないだろう」。結局、韓国政・・・