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政治

「私欲解散」安倍の自滅

「小池」を読み違えた驕りの報い

2017年10月号

 東京・新宿の都庁に近いホテル・パークハイアット東京。壇上には民進党を離党した元環境相細野豪志、その細野と新党結成について協議を重ねてきた若狭勝、さらに場違いの存在に映った「日本のこころ」の参議院議員中山恭子らが居並ぶ。部屋は暗転されて壇上左右のモニター画面にビデオが流れる。男たちに囲まれてその真ん中に颯爽と歩く東京都知事の小池百合子。九月二十七日午前九時半すぎ、再び小池ならではの派手な演出で小池劇場が始まった。小池が代表に就任した「希望の党」の結成記者会見だった。
 小池は「しがらみのない政治」というキーワードをちりばめながら、結党の意義を強調した。
「危機感を共有する仲間が集まった。寛容な改革の精神に燃えた保守、新しい政党だ」
 この手の込んだ演出は小池が新党結成に向けて相当に周到な準備を進めていたことを窺わせた。確かに小池が「希望の党」の結成と自らが代表に就任すると発表したのは、二日前の二十五日午後の記者会見。それは、上野動物園で生まれたジャイアントパンダの赤ちゃんの名前を発表するために設定された記者会見だった。パンダの人気は圧倒的だ。あらゆるジャン・・・