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政治

「連合・神津」こそ野党大敗の戦犯

「組織崩壊」招いた労働貴族の限界

2017年11月号

 第二次世界大戦は、ファシズムを倒すために自由主義者と社会主義者が手を組み、レジスタンスには共産党からカトリックまでが加わった。民主党政権が誕生した二〇〇九年の衆院選も、小沢一郎民主党元代表が共産党の不破哲三元議長に水面下で直談判し、多くの選挙区で事実上の野党共闘を実現させ、自民党政権打倒の決め手となった。本気で政敵を倒すというのは、そういうことだ。
 今回の衆院選も同じだ。野党が共産党も含めた共闘態勢を組むか、それとも「反共ドグマ」に固執して初めから安倍政権打倒を諦めるか。解散前に野党がどちらの戦術を選ぶかで大勢は決していた。共闘が実現していれば、森友・加計学園問題による内閣支持率の急落と自民党内の「ポスト安倍」機運に、「大義なき解散」を嫌気する世論が追い風になって、野党に勝機は十分あった。しかし、野党陣営は選挙前に分裂して自ら政権打倒の目を潰した。政権継続の信認手続きに駆り出されただけの有権者こそ、いい面の皮である。選挙をぶち壊したのは誰か。

解散前から「死に体」

 小池百合子東京都知事は希望の・・・