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経済

リニア中央新幹線という「伏魔殿」

談合だけではない「疑惑」ゾロゾロ

2018年1月号

 300X―。現在は、名古屋市内の「リニア・鉄道館」に保存されている、東海旅客鉄道(JR東海)が開発した試験電車のコードネームだ。300Xは一九九六年に東海道新幹線路線内で最高時速四百四十三キロを記録した。
 この車両は新幹線の高速化の実験だけでなく、現在建設が進んでいる「中央新幹線」で走行させることを想定して開発されたことはあまり知られていない。「中央新幹線は超電導リニアが走るのでは」という疑問の声が聞こえてきそうだが、実際JR東海はいまもなお、中央新幹線に従来型の鉄輪式新幹線を走らせる構想を捨てていない。否、むしろリニア方式を掲げながら最終的には鉄輪式に切り替える「裏計画」が着々と進んでいる。談合捜査に揺れるリニアのもうひとつの疑惑だ。

「クエンチ」という致命的欠陥

 既に建設がスタートした中央新幹線の計画をみると鉄輪式で開業させることが可能な構造が隠されている。たとえば「上り坂」だ。
 超電導磁石によって車体を浮上させて進むリニアの登坂性能は従来方式よりも高い。「六十パーミル」と呼ば・・・