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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》神社本庁

全国八万社の「総元締め」に相次ぐ醜聞

2018年1月号

 新たな一年のさまざまな願いを抱えた人々が、今年も各地の神社へ初詣に向かう。毎年参拝者数全国トップの座を守り続けている明治神宮から全国津々浦々の小さなお社まで、約八万社を束ねているのが神社本庁だ。明治神宮のすぐ脇に佇む瀟洒な建物に入居するこの宗教法人こそ、安倍晋三首相を支える日本会議のルーツに連なる集団であり、天皇退位や改憲でまさに渦中にある組織だ。しかも最近では怪文書に端を発した「不正疑惑」が噴出し、宗教団体としての自浄作用が問われる前代未聞の事態になっている。

三人のトップが並存する

 東京・深川の富岡八幡宮――。境内には力士の像や横綱の顕彰碑などがいくつも立ち、江戸時代から相撲と縁の深い神社として知られてきた。この由緒正しい下町の神社内部でトラブルが続いていたことは、深川界隈だけでなく、神社業界関係者の間では数年前から知れ渡っていたという。二〇一七年十二月七日には、とうとう凄惨な殺人・心中事件が発生し、週刊誌やワイドショーを賑わせた。この事件のあらましについては既に報道が溢れている。どちらに分があるかは・・・