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連載

《世界の キーパーソン》ロナ・マクダニエル(米共和党全国委員長)

中間選挙でトランプ政権を救えるか

2018年2月号

  ドナルド・トランプ米大統領の与党、共和党がピンチだ。十一月の中間選挙を控え、「引退」を表明する現職議員が相次ぎ、現在上下両院で保っている多数派を失う情勢だ。一月には下院外交委員会委員長のエド・ロイスも引退表明し、二十二ある下院委員長ポストのうち、八人の委員長が再選に臨まない。下院の引退は三十以上。共和党は二十四議席を失えば下院で民主党に逆転される。
 原因はトランプ大統領の不人気で、共和党議員に逆風が吹いていること。特に、ロイス外交委員長(選挙区はカリフォルニア州)のように、移民が多い選挙区やリベラルな州では大苦戦の様相だ。
 そんな「泥舟」のかじ取り役が、共和党全国委員長を務めるロナ・マクダニエルである。
 米国の二大政党の場合、党首役は大統領か、議会指導者が務める。両党の「全国委員長」ポストは選挙戦全般を統括し、党資金の調達や管理も行う。マクダニエルは、二〇一二年に大統領選に出馬したミット・ロムニーの姪(兄の娘)。トランプ大統領が当選後、自らマクダニエルを指名した。前任の委員長はラインス・プリーバスで、こちらは大統領がホワイトハウスの首席・・・