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政治

強権・菅義偉の「やり過ぎ」と「長過ぎ」

《政界スキャン》

2018年2月号

 三年ぶりに自民党総裁選の年。憲法改正も外交政策も、政局の駆け引きにつれて動く。
 年末から新年にかけ、新聞各紙は三選を狙う首相安倍晋三と立候補予定者たちの心境や人間模様をあれこれ品定めしていた。
「ポスト安倍」候補たちの現状評価は一致して、
 孤立深める本命=石破茂
 忍耐の禅譲待ち=岸田文雄
 勝算なき挑戦者=野田聖子
 未知数の穴馬=河野太郎
 次の次狙う人気者=小泉進次郎
 といったところだ。
 ところが、こうして役者を一人一人並べてみても、それで総裁選政局の見取り図が描けたという気にはなれない。キーマンが欠けているからだ。
 昨年夏の内閣改造以来、「ポスト安倍」の面々を手際よく政局の盤上に布置してきたのは、官房長官菅義偉である。
「出馬する、しないは本人の自由」(昨年八月四日の記者会見。前回総裁選では推薦人を切り崩し出馬を断念させた野田について)
 安倍は年明けの外遊先で、この見解を追認した。
 外相河野と筆頭副幹事長小泉の抜擢は、同じ神奈川県選出・・・