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経済

明治HD「化血研買収」の蛮勇

不祥事連発「伏魔殿」を抱え込む奇異

2018年2月号

「何しろ相手は監督官庁などから『常軌を逸した隠蔽体質が根付いている』とまで指摘された伏魔殿のような存在。また新たな不正でも発覚しようものならブランドへのダメージはそれこそ致命的だ。本当に食べても大丈夫なのか」。グループ関係者の一部からはこんな不安も漏れる。
 乳業・製菓の国内大手、明治ホールディングス(HD)が一般財団法人「化学及血清療法研究所」(化血研、熊本市)の医薬品事業買収に踏み切る。明治HDと医薬品子会社のMeiji Seikaファルマが計四九%、熊本県が二%、残りを熊本放送、肥後銀行や再春館製薬所など県内企業七社連合が出資して二〇一八年度上半期中にも受け皿会社を設立。化血研がワクチンや血漿分画製剤など主要事業を現物出資する形で発足させる新会社の全普通株を取得する。明治グループは同新会社の無議決権株式の引き受けを含めて総額百八十億円を投資。受け皿会社に代表取締役を合わせて取締役の過半数を送り込み、連結子会社化する方針だ。

「毒饅頭じゃないことを祈る」

 明治HDの医薬品事業は一七年三月期で売・・・