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経済

米国発「世界同時バブル」の雲行き

株価上昇はまだ続くけれど……

2018年2月号

 昨年から世界の株式市場で異例の記録が相次いでいる。ニューヨーク市場では昨年二月にダウ工業株三十種平均が十二連騰、東京市場では同十月に日経平均株価が十六連騰、香港市場では昨年十二月から今年一月にかけてハンセン指数が十四連騰、同様に上海市場では上海総合指数が十一連騰、ブラジルではボベスパ指数が十連騰―。多くの市場で過去最長の連騰を記録しているが、このようなことは世界金融史上なかったことだ。今起こっている米国債利回りの上昇に一つのヒントがある。金融危機後の二〇〇九年から続いたゴルディロックス(適温)相場の「終わりのはじまり」といえよう。

「超強気」の異常値が続出

 米国市場では、投資家心理に明らかな異変が起こっている。米国個人投資家協会の「今後六カ月先の株価見通し」に関する一月十七日の調査によれば、個人投資家の五四・一%が「強気」、二四・五%が「中立」、二一・四%が「弱気」と回答した。「強気」の過去平均は三八・五%であり、六週連続で「異常に高い水準」との結果が出ている。これは一九九九年のITバブル期と同水準だが、・・・