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「英王室」に国民の冷ややかな目

盛り上がり欠く「ロイヤル・ウェディング」

2011年4月号

 英国ウィリアム王子とケイト・ミドルトンさんの結婚式典までひと月を切った。久々の慶事であり、祝福ムードは広がり、街では便乗商品も並ぶ。しかし、盛り上がりは今一つ欠けている。ロンドン在住の日本人ジャーナリストはこう語る。「チャールズ皇太子とダイアナ妃のときにくらべ国民の目は冷めている」。
 その一つの原因は、質素な結婚式にあるという。緊縮ムードからか、式典の数は大幅に削減され、昼食に至っては立食のビュッフェ形式で行われる。さらに、記念品の皿が「メイド・イン・チャイナ」であることも国民を興醒めさせている。ウェッジウッドは経営破綻したものの、ほかにもロイヤルドルトンなどの英国磁器メーカーは存在する。
 そして、国民が冷めているのは、近年、いやここ十年以上の王室自身の振る舞いのせいでもある。それはスキャンダルだけではない。「王室ビジネス」とも呼ぶべき問題も存在する。

皇太子の「チャリティ帝国」


 英王室は、自らの莫大な財産を持ち、その運用を行っていることはご存じだろう。
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