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社会・文化

開成高校「政官人脈」の最近事情

悲願「岸田文雄総理」で蠢くOB

2018年2月号

 正月三ヶ日が明けるや、金融庁幹部が北京に飛んだ。用向きはなんと「商工中金」を巡り、中国金融当局に説明と謝罪をするためであった。
 昨秋、書類改竄など二千六百四十六億円もの不正融資が発覚した政府系金融機関の商工中金。ここがメガバンク同様に「国際統一基準行」であることから、分不相応にも中国・上海への支店開設の認可を取ったのが昨年二月。許諾は中国銀行業監督管理委員会からのものだった。
 ロクな審査もせず、政府系金融機関としての存在意義を示すためだけに不正融資を繰り返していた金融機関が、「国際統一基準行」であるのもお笑いなら、膨張の果ての上海進出など論外でしかない。
 認可を与えた中国の金融当局は危惧した。不正融資で揺れる商工中金が予定通り進出できるのか、と。中国金融当局の問い合わせに、商工中金は「予定通り。不正融資問題もまもなく収束する」と報告。ところが、商工中金の返答に疑念を抱いた中国金融当局は、日本の金融庁に問い合わせ、その結果、存続の危機に立たされていることを知る。激怒するのは当たり前だろう。虚偽報告を受けていたのだから。外交問題化を避けるべく、尻拭いの・・・