三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

連載

西風442

「まだら模様」の民泊対応

2018年3月号

 関西エリアのホテル不足を解消すると期待された「民泊」。しかし各自治体により温度差が大きく、実現に向けた動きもばらばらだ。
 大阪、京都のホテルの稼働率はここのところ常に八〇%を超えており、一般人が飛び込みで宿泊することは困難な状況が続いている。それを解決するために導入が持ち上がったのが、一般の住宅を宿泊施設として活用する民泊だ。民泊新法は住環境の悪化や近隣トラブルを心配する声と、観光振興によって日本経済の浮揚を目指す声とがぶつかり合う中、年間営業日数を百八十日に制限する妥協案で落ち着き、昨年六月に成立した。
 この新法には住宅業界からも大きな期待が寄せられている。現在、全国で八百二十万戸もの空き家があることが問題視されているのは周知の通り。また、民間賃貸住宅は多くの空室を抱えている。それを民泊で埋めたいと、賃貸住宅のオーナーや管理会社は目論んでいる。分譲マンションでは管理組合が「民泊禁止」を管理規約に定めれば営業は不可能だが、賃貸住宅の場合は規約に縛られるリスクが少ない。
 京都で最大手の賃貸住宅管理会社「長栄」の長田修社長は「賃貸住宅管理会社はオーナー・・・