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政治

創価学会がそろり「安倍離れ」

《政界スキャン》

2018年3月号

 創価学会の池田大作名誉会長が体調不良のため姿を見せなくなって間もなく八年になる。
 長期療養に入った時は民主党政権だった。安倍晋三首相の再登板から五年余りの間、政権復帰した公明党の支持母体を事務総長として切り盛りしてきたのが、辣腕で鳴らす谷川佳樹副会長だ。
 政権との関係も、谷川氏の腹心の佐藤浩副会長が、党を飛び越えて菅義偉官房長官と直に政策の取引から選挙協力まで行ってきた。二人とも「強引」「専横」と評される似た者同士である。
 それに引き換え、公明党の山口那津男代表と井上義久幹事長は理知的な穏健派。「何でもあり」の安倍・菅両氏との呼吸は何年たってもよそよそしい。勢い連立運営において官邸と直結する「谷川・佐藤コンビ」の政治的影響力がどうしても大きくなる。
「ポスト池田の本命は谷川」
 政界にそんな下馬評が広がったのは無理もない。
 しかも最大の対抗馬と見られていた二歳年上の正木正明理事長が二年ほど前、組織のナンバー2ポストから会長の諮問機関に過ぎない「参議会」副議長という閑職へ左遷され、
「谷川後継で決まりだな」{・・・