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経済

ホンダ「孤立主義」に迫る限界

食指を伸ばすグーグルやトヨタ

2018年4月号

「ホンダは自動車業界の孤児のようなものだ」
 トヨタ自動車の幹部の一人はこう語る。日本国内だけでなく、世界の自動車メーカーがいくつかの系列に集約されていく中で、本田技研工業はいまだに独立独歩を続けている。他社との提携を含め、今後の自動車業界再編の台風の目にもなりうるホンダの動向に熱い視線が注がれている。
 足元の業績は一見すると好調だ。二月にはうれしいニュースが相次いだ。同月二日に発表された二〇一八年三月期の第3四半期決算では、通期の業績予想を上方修正。純利益予想は従来の五千八百五十億円から一気に一兆円に引き上げた。会計制度の変更などから単純比較はできないが、数字の上では過去最高となる。
 日本や中国での自動車の売り上げが堅調に推移したほか、アジア、特にインドでの二輪車事業が好調だったことが要因。売上高や販売台数も前年比プラスになるとしており、「イケイケの状態」(全国紙経済部記者)だ。
 さらに同月二十二日には、小型ビジネス航空機「ホンダジェット」が、一七年の販売台数で世界一になったことがわかった。昨年一年間で四十三機を出荷し、二位の米セスナ社を・・・