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連載

《世界の キーパーソン》マヌエラ・シュベジッヒ(ドイツ社会民主党副党首)

ドイツの名門左派政党を救えるか

2018年4月号

 西欧左翼政党の名門、ドイツ社会民主党(SPD)がピンチだ。
 昨年九月の総選挙で、得票率が二〇・五%と、第二次世界大戦後の最低を記録した。当時のマルティン・シュルツ党首が「もう大連立はやめだ。これからは野党になる」と宣言して二カ月足らずで、アンゲラ・メルケル首相が自由民主党、緑の党との連立交渉に失敗。社民党OBであるフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー大統領に、「ドイツの民主主義を救うために大連立に戻ってくれ」と説得され、党首は翻意した。
 年明けに何とか大連立発足の見通しがつくと、今度は閣僚ポストをめぐって党幹部の間で内紛が勃発。いったんは「副首相兼外相」のポストをつかみかけたシュルツ党首に「自分だけいい思いをしている」と批判が集中し、シュルツは閣僚の座も、党首職も断念した。大連立自体にも、強力な党青年部「ユーゾー」から反対の声があがった。三月四日に結果が発表された、連立参加の賛否を問う党員投票は、「メルケル続投か否か」で世界中が注目する大事件になった。
 ドタバタと、ポスト争いと内部対立により、支持率を一七%まで下げて、極右「ドイツのための選択肢・・・