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社会・文化

北海道を買い漁る「中国マネー」

土地買収と「人口増加」が進行中

2018年5月号

 唐突に発表された中国首相の北海道訪問―。地元メディアは歓迎一色だが、中国側には一体どのような意図があるのか。北の大地に中国の資本が接近していることは知られているが、その規模は想像よりも大きい。
 李克強首相の訪日日程はほぼ固まっており、中国外交筋によると、公式行事として五月十一日に札幌市内で開催される「日中知事省長フォーラム」に出席する。ただ、地域間交流会議は本来、中国の首相が顔を出す場ではなく、「北海道へ行く口実に過ぎない」(同外交筋)という。
 今回、李氏が自ら希望した視察先は二カ所。ひとつは苫小牧市にあるトヨタ自動車北海道。もうひとつはやはり同市内の最先端野菜工場とされる。「中国製造(メイド・イン・チャイナ)二〇二五」という、経済改革を掲げた李首相らしい選択だが、実はこうした視察よりも、「中華人民共和国の首相が北海道の地を踏んだ」ということが重要のようだ。

孔子学院新設計画も浮上

 中国マネーによる北海道の国土侵食は静かに、しかし着実に進行している。昨年、道庁が発表したところによる・・・