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経済

「北朝鮮不正送金疑惑」でみずほ銀が謝罪 「制裁破り」恐れる官邸は不問に付す方針

2018年5月号公開

 本誌三月号で報じた、みずほ銀行が関与した「北朝鮮不正送金疑惑」を巡り、霞が関、永田町の対応に温度差が生じている。
 報道当時、米朝関係は緊張の一途だったため、米国と歩調を合わせたい安倍晋三首相にとって極めて不都合なニュースだった。そのため金融庁から報告を聞いた官邸はなんらアクションを起こさず放置する。報告を受けたのは警察庁出身の杉田和博官房副長官だったが、その後公安警察が動いた形跡もない。
 一方で当の金融庁は敏感に反応。みずほ銀行の担当役員が内々に金融庁を訪れ、状況を説明して平謝りし、システムの改善を約束した。また、金融庁は各地の地方銀行に対して怪しげな海外送金について、洗い出すように指示を出している。
 こうした中で、本誌は問題となった不正送金のさらなる詳細な内容を入手した。愛媛銀行石井支店から香港の「恒生(ハンセン)銀行」にみずほ銀経由で送られた金額と詳細な日時が明らかになったのだ。それによると、昨年五月二十六日の九百七十万円を皮切りに、合計五日間の送金内容が確認された。最終的に六月二十七日に一億六千七百万円が送金され、合計で五億五千万円以上に上った。
 また、本誌掲載時に送金先の口座名は「K Company」としていたが、正確には「K Barun Company」であることも併せて判明した。
 この不正送金が明るみに出るきっかけは、四国財務局への不可解な電話によるタレこみだった。
 電話の主は、送金の原資が、北朝鮮によって密輸された金塊の不正取引による利益だったと指摘していたことも判明。昨今多発している消費税の差益を利用した金塊密輸とみられる。これだけの詳細な内容でありながら、官邸や警察、そしてみずほから広告を出してもらう大手メディアも、この疑惑を闇に葬り去ろうとしている。
 現在は国際的に北朝鮮との対話ムードが溢れ、日本政府、安倍首相は取り残されまいと必死になっている。ここで、北朝鮮への不正送金疑惑を掘り下げることはできないというわけか。
 しかし、みずほ銀行の役員が金融庁を訪れ謝罪した事実は動かない。安倍官邸のご都合主義で不正を野放しにする構図は、他の様々な疑惑と同根である。


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