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経済

《企業研究》フジ・メディアHD

「解体ショー」の幕開け

2025年5月号

「誰か大将を止められないのか!」。SBIホールディングス(HD)の社内では4月上旬、こんな悲鳴が飛び交っていた。大将とはもちろん北尾吉孝会長兼社長のこと。何を止められないのかというと、フジ・メディアHDの取締役候補になることだ。
 米アクティビスト(モノ言う株主)でフジ・メディアの株を持つダルトン・インベストメンツは、フジ・メディアへの株主提案を3月あたりから急ピッチで仕立て上げようとしていた。その目玉が北尾の取締役選任議案だった。
 フジ・メディアは一定の持ち合い株に守られており、「株主提案が通る可能性は高くない」(信託銀行関係者)と言われていた。ダルトン側候補者として北尾が出馬しても敗北する可能性が高いと周囲は見ており、「大将を負け戦に出して恥をかかせるわけにはいかない」(SBI幹部)というのだ。
 だが当の北尾は「俺が出馬すれば絶対に通る」と周囲に公言し、諫言を聞き入れようとしなかった。それどころか、ダルトンが株主提案を公表する前に、事実上のフライングまでしてしまった。

日枝のお友達vs北尾のお友達・・・

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