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経済

ニデックの「次の獲物」はどこか

まだ続く工作機械「企業漁り」

2025年7月号

  牧野フライス製作所へのTOB(株式公開買い付け)を突然撤回して株式市場を驚かせたニデック。MBKパートナーズがニデックを上回る1株当たり1万1751円の買収価格を提示し、牧野フライスの全株式の取得を目指すこととなった。思わぬ敗戦に「怒り心頭に発している」(ニデック社員)のが、ニデック創業者でグローバルグループ代表を務める永守重信氏だ。
 永守氏は今、リベンジに燃えている。今年6月に開催された株主総会では「絶対に買えたと思う。今回が駄目でも次がある」「会社は世界中にいっぱいある。次もやりますから」と語気を強めた。事実、ニデックは次に買収する企業を物色している。
 こうした中、工作機械業界では、ニデックが次に買収を狙う企業として、2社の名前が急浮上している。その1社はオークマで、本命と目されている。その理由は、永守氏の買収戦略に完全に合致しているからだ。

世界一への妄執

 永守氏が買収の触手を伸ばすのは、高い技術力を備えているものの、業績が伴っていない企業と決まっている。同氏は過・・・

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