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政治

誰が安倍に「引導」渡すのか

「会期末退陣」を巡る水面下の攻防

2018年5月号

 今やコリアン・タウンと化した東京・赤坂で、老舗の暖簾を守る日本料理店「津やま」。元首相小泉純一郎が足繁く通う店として政界で知らぬ者はいない。四月十八日夜、小泉政権時代の盟友たちがこの路地裏の名店に集まった。通称「小泉同窓会」。小泉政権のハイライトとも言える二〇〇五年の郵政選挙の主役たちだ。自民党副総裁だった山㟢拓、元幹事長武部勤、選挙を仕切った元総務局長二階俊博(現自民党幹事長)、そして列島を席巻した〝刺客候補〟第一号の現東京都知事小池百合子が店内の小上がりに顔を揃えた。小泉が姿を見せたのは午後六時半過ぎ。お開きは午後十時を回っていた。小泉はコップを手にしながら大きな手ぶりで首相安倍晋三への不満を口にした。
「俺は『週刊朝日』のインタビューですべてを話したよ」
 小泉が話題にした週刊朝日では、過激発言を連発していた。
「危うくなってきたね。安倍さんの引き際、今国会が終わる頃じゃないか」
 つまり六月二十日の通常国会の会期末を機に、九月の自民党総裁選への不出馬を表明するとの見立てだ。小泉はこれに先立つ四月十四日、講演先の水戸で記者団のインタビュー・・・