三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

社会・文化

宮内庁「東宮職」の憂鬱

即位まで一年「皇太子一家」への不安

2018年5月号

 平成の御代は残すところ、ちょうど一年となった。退位や即位についての一連の儀式、行事の準備は着実に進められている一方で、宮内庁や皇居、赤坂御用地を広く不安が覆っている。このまま皇太子が即位して大丈夫なのか―。
「現在の東宮にいる職員たちが皇居に移って、天皇家を切り盛りできるのかどうか懸念されている」
 ある宮内庁幹部はこう声を潜める。来年五月一日以降に、天皇制の中核を担うのは、皇太子、雅子妃、愛子内親王と、現在は東宮御所に詰める宮内庁の職員である。天皇制は天皇一人がいれば成立するものではない。皇后はもちろん、周囲を守る職員やシステムがあって、はじめて機能するものだ。

諫言する職員は皆無

 宮内庁には他の霞が関の省庁にはない伝統に基づいた部署やポストの名称が残っている。そのひとつが「職」だ。他の役所の「局」にあたり、「侍従職」「東宮職」「式部職」の三つが設置されている。侍従長をトップとする侍従職は天皇と皇后の周囲に侍り、東宮職は皇太子一家を担当する。式部職はさまざまな式典や祭祀を担う。{br・・・