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連載

をんな千一夜 第15話

囲碁界を変えた「女性棋士」
石井 妙子

2018年6月号

《喜多文子》

 女性の政界進出を後押しする推進法が五月十六日、国会で成立した。今の政界に二世議員でもなく、好んで参入したいと思う女性がいるのかという疑問は湧くが、何かしらの良い変化が起こってくれればと思う。
 そもそも女性活躍だの、推進だのと、別にお膳立てをしてくれなくても、男性が自分たちの物差しで女性を選別したり、あるいは無用な邪魔立てをしないでくれれば、本来、自然と進むものであろう。だが日本では法律でも作らない限り、なかなか現状が変わらないということなのか。
 囲碁界というと、何やら古めかしく旧弊なところというイメージを抱かれているようだが、こと、女性活躍という面でいえば、実に先進的な社会であった。なにせ、江戸時代から女性棋士がおり、男の弟子を取って教える一方、大奥の出稽古も任されていたというのだから。
 また、どんなスポーツでも、男女が一緒に勝負を争うものはないが、囲碁は昔から、男女平等。基本的に女性だからと、別扱いされず対等に男性と戦っている。
 同じボードゲームでも将棋は事情が異な・・・

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