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政治

《罪深きはこの官僚》浅川雅嗣 (財務省財務官)

名うての「プレーボーイ」の女と野望

2018年7月号

 昨年五月、横浜市で開かれたアジア開発銀行(ADB)年次総会のレセプション。会場の注目を一身に集めていたのはホスト役である日本政府の事務方トップ、財務官浅川雅嗣が奏でるフルート演奏だった。すでに在任二年近くとなり「官僚として最盛期」(元大手紙特派員)を迎えていた。見据える先は、自らの演奏に耳を傾ける中尾武彦ADB総裁の後釜に座ること、だけのはずだった。
 前事務次官によるセクハラ問題の余波で二カ月にも及ぶ次官不在という異例な状態に陥った財務省。五月の下旬以降は、次期次官人事を巡る各種報道が飛び交った。その中心にいたのが「財務省きってのプレーボーイ」と言われる浅川だ。白羽の矢を立てた財務相麻生太郎について、麻生派関係者は「森友問題などスキャンダルが相次いだのに、役人からの報告は遅かった。右腕である浅川を次官に据える発想の裏には財務省主流派への不信感があった」と解説する。
 ただ、浅川は省内外で敵が多い。産経新聞が次官候補の一人だと報じると「麻生首相時代の秘書官だからという理由だけで引き立てられ、財務官ポストに三年も居座った挙げ句に次官になるのか」と、反発の声が上がった・・・

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