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社会・文化

官僚とゼネコンの楽園「海外建設協会」

安倍ODA「三兆円」にタカる面々

2018年7月号

「一兆八千億円。おかげさまで過去最高益を記録しました!」
 五月十四日にパレスホテル東京で催された会合では、威勢の良いあいさつを号令に、華々しく杯が交わされていた。「平成三十年度第六十四回定時総会」と書かれた案内の奥に集まったのはゼネコン幹部たちと高級官僚の面々。政府内からは「安倍政権が三兆円規模で増やした政府開発援助(ODA)に群がる人々」と後ろ指をさされる、まさにその厚顔な面々だ。
 この会合の主催者でもある、海外での受注拡大と国際協力推進を目的として設立された一般社団法人「海外建設協会」が今、わが世の春を謳歌している。同協会は大手ゼネコン企業を会員に構成。パーティーには石井啓一国土交通相をはじめ、在京外国大使館やメディア関係者を含め五百人を超える出席者が集い、「盛大すぎるほどの会合だった」と、大手紙デスクは振り返る。

「外交族」の興隆も

 同協会の飯のタネは政府のODA予算だ。第二次安倍内閣が発足して以降、ODA業界はここ三年連続で右肩上がりの予算配分を受けて業績を上げており、まさに・・・