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WORLD

米国を襲う「トランプ農業恐慌」

通商戦争と移民排除の重い代償

2018年8月号

 ドナルド・トランプ米大統領の看板「アメリカ・ファースト」が、支持基盤の一つである米国農家を直撃している。中国に仕掛けた大規模な通商戦争では、中国側が米国からの農産物輸入の注文を減らして応戦。強硬な移民排除政策によって、農業労働者の確保にも暗雲がたれこめている。

中西部を狙い撃つ中国

「さっさと決着させてくれよ」
「早く終わってほしい」
 こんな声であふれるのは、中西部アイオワ州の農業地帯だ。同州の主要作物である大豆、コーンや豚肉は、中国が最大の市場だ。同州のマイケル・ネイグ農務長官は七月、「中国からの注文キャンセルが始まっている」と、早々に悲鳴を上げた。
 米国と中国の間では、関税導入と報復関税導入の連鎖が起こり、双方は対象を二千億ドルまでつりあげた。米国から中国への農産物輸出は、年間約二百億ドルにのぼり、その半分以上が大豆である。中西部は米農業の先進地帯の一つで、大規模農家が大豆やコーンに特化している。
 ネイグ長官は、「アイオワの農家は膨大な時間とエネルギーをかけ・・・