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経済

スルガ銀行「解体処分」の現実味

不動産「不正融資」は底なしの様相

2018年8月号

「シェアハウス業者が破綻したときは対岸の火事のように見えたが、実はその時点で別の方向にも飛び火していた。それが燎原の火のごとく広がろうとしている」
 不動産情報会社の幹部は、スルガ銀行による「不正融資問題」についてこう指摘する。今年四月に、都内で女性向けシェアハウスを多数運営していたスマートデイズが破綻。同社に物件の管理運営を委託していたオーナーの多くが路頭に迷いつつある。しかし実は、より高額なアパート・マンション向けローンにも不正の芽はあり、いつ爆発するとも知れない「地雷」になっているのだ。ことはスルガ銀だけの話ではなく、他の金融機関にまで波及しようとしている。

「三為業者」と結託して融資

 ある不動産コンサルタントは今年五月、スルガ銀案件で訴訟に踏み切るべきか否か迷っているマンションオーナーからの相談を受けた。東海地方に在住する四十歳代のオーナーが保有しているのは、部屋数十数戸の小規模鉄筋コンクリート造のマンション。ある業者を通じて、二〇一六年に購入したものだが、融資はスルガ銀から受けたという。・・・