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経済

《地方金融の研究》東日本銀行

横浜銀行に「丸呑み」される運命

2018年8月号

 まさに「死屍累々」とでもいった有り様だ。
 旅行代理店の「てるみくらぶ」をはじめ、科学雑誌・Newtonを発行する「ニュートンプレス」に、クレジットカード決済代行サービスの「デジックス」、さらには予備校経営の「モアアンドモア」、インテリアフラワー販売の「ラポール」、ノベルティグッズ卸の「トレビ」や格安スマホ開発の「プラスワン・マーケティング」などなど。いずれも二〇一七年に入ってから経営破綻した東日本銀行の大口与信先で、軽く十社を超える。
 極めつきは昨年十二月下旬に銀行取引停止に陥り、二千四百五億円の負債を抱えて今年三月破産手続き開始が決まった磁気治療器預託販売のジャパンライフだろう。消費者庁から昨年一年間に四回も一部業務停止命令を食らうなど「悪辣なペーパー商法」(事情通)を繰り返し、高齢者などを食い物にしてきたこの会社に対し、東日本銀は商工組合中央金庫(商工中金)がアレンジした協調融資に相乗りする形で多額の与信を供与していた。
 これでは金融当局から目を付けられても致し方あるまい。度重なる与信先の破綻に不信感を強めた金融庁が融資の実態を掴もうと同行への・・・