マスコミ業界ばなし
2018年8月号
前代未聞の内紛に揺れた文藝春秋。松井清人・前社長の会長就任という野望は、前常務取締役・木俣正剛氏の“抱き合い心中”で阻止された。しかし予定通り、出版業務を経験したことのない経理畑の中部嘉人・新社長を誕生させた。その文春で粛清人事の嵐が吹いた。
一連の騒動の渦中、松井氏を批判する社内有志連名による要望書が提出された。社内からは有志について「報復のような人事は避けて欲しい」という要望が松井氏のところにも届いていた。しかしふたを開けると、冷徹な人事が行われた。本来は局長就任が確実視されていた文藝出版局次長、島田真氏は文藝出版局を出され、局次長という肩書はそのまま、月刊「文藝春秋」のみの担当を命じられる。前新書部長・吉地真氏、前文藝部長・向坊健氏はともに編集委員という島流しポストへ。一方、「松井氏に魂を売った」とされている飯窪成幸常務は、編集総務だけでなく、ノンフィクション局、週刊文春、出版局を統括する立場に大出世。片や、文藝春秋の屋台骨を支える人材と目されている執行役員鈴木洋嗣、羽鳥好之両氏はそれぞれ複数担当を外され、宣伝プロモーション、メディア事業と明・・・
一連の騒動の渦中、松井氏を批判する社内有志連名による要望書が提出された。社内からは有志について「報復のような人事は避けて欲しい」という要望が松井氏のところにも届いていた。しかしふたを開けると、冷徹な人事が行われた。本来は局長就任が確実視されていた文藝出版局次長、島田真氏は文藝出版局を出され、局次長という肩書はそのまま、月刊「文藝春秋」のみの担当を命じられる。前新書部長・吉地真氏、前文藝部長・向坊健氏はともに編集委員という島流しポストへ。一方、「松井氏に魂を売った」とされている飯窪成幸常務は、編集総務だけでなく、ノンフィクション局、週刊文春、出版局を統括する立場に大出世。片や、文藝春秋の屋台骨を支える人材と目されている執行役員鈴木洋嗣、羽鳥好之両氏はそれぞれ複数担当を外され、宣伝プロモーション、メディア事業と明・・・