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習近平「日中関係改善」の底意

米中貿易戦争「長期化」への焦り

2018年9月号

 今年の終戦記念日、安倍晋三内閣の全閣僚は靖国神社参拝を見送ったが、安倍首相は個人として玉串料を奉納した。昨年と全く同じ対応だった。
 なのに中国政府の反応には変化が現れた。八月十五日午後に行われた中国外務省の定例会見で、陸慷報道局長は首相の玉串料の奉納と一部の国会議員が参拝したことを念頭に「日本側の誤ったやり方に断固反対する」との批判のコメントを発表した。しかし、これまで毎年、靖国問題で必ず言っていた「日本は軍国主義と徹底して一線を画すべき」といった表現を使わなかった。昨年と比べて、意図的に日本批判のトーンを下げたのである。
 その三日前、安倍氏は地元の下関市で講演し、「自民党としての憲法改正案を次の国会に提出できるよう、取りまとめを加速すべきだ」と述べた。今秋の臨時国会で改憲論議を前進させる意向を示したのだ。以前なら、中国の官製メディアが直ちに「日本の軍国主義復活に反対するキャンペーン」を展開するはずなのに、今回は事実関係を報じただけで、声高な批判記事はほとんどみられなかった。
 その一方で、中国メディアでは近年、触れられてこなかった話題、例えば日本の・・・