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経済

安倍が頼る日米貿易「裏交渉人」

弁護士・村瀬悟は危機を救えるか

2018年10月号

 東京の表玄関、東京駅に隣接する東京ステーションホテル。改装される前は、鉄道旅行を好んだ作家、内田百閒が愛したホテルとして知られる。
 九月十三日の夕刻、このホテルの宴会場「鳳凰」で、少しばかり政治色の強いパーティーが開かれた。米大手法律事務所「メイヤー・ブラウン」の東京オフィス開設を祝う集まりであった。
 会場には、三百人近いビジネスマン風の人たちが集まった。乾杯の音頭を取ったのは、ゆうちょ銀行社長、長門正貢。会場には元財務省事務次官にして、現在は日本政策投資銀行会長である木下康司、丸紅社長の國分文也、経済産業省審議官の寺澤達也など財界、官界からの参加者が目立った。
 会場のあちこちで談笑が交わされる和やかな雰囲気の中、ある長身のビジネスマンの周辺には、ひときわ人が集まり続けた。その人物の名は村瀬悟。知る人ぞ知る、日系三世の弁護士である。

村瀬親子と安倍家の親交

 米国を中心にして世界展開を図るメイヤー・ブラウンの東京オフィス開設とともに、村瀬はそれまでの米大手法律事務所を離れ・・・

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