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トランプの「極右路線」は止まらない

中間選挙後「外交・内政」はより過激に

2018年11月号

 米国のドナルド・トランプ大統領の言動は常識外で予測不可能だが、ホワイトハウス詰め記者団はある法則を学んでいる。自分のファンを前に大見えを切ったことは、とりあえず実行を試みる。下僚がまず汗をかくのである。
 この点で見ると、十一月六日投開票の中間選挙後は、トランプ政権がさらに「右」に向かうのは間違いない。移民、人種問題、通商政策から外交まで、大統領は空恐ろしくなるような「公約」を並べている。

「私はナショナリストだ」

 七十二歳のトランプ大統領は今年、自分より若く体力もあるバラク・オバマ前大統領の記録を一つ、大幅に上回った。オバマ氏が最初に臨んだ二〇一〇年の中間選挙で、遊説した数(十回)の三倍以上、今回の中間選挙で各地を飛び回ったのだ。
「共和党に献身しているわけではない。会場で熱狂的ファンから大声援を受け、自己陶酔にひたるのがたまらないだけだ」と、ある米国人記者は言う。十月下旬、大詰めのテキサス州上院選で、共和党現職テッド・クルーズ氏の応援のためヒューストンに駆け付けたのも、「大きな会場・・・